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“PACIFIC RIM ”/『パシフィック・リム』と「人称視点」の揺らぎ

時間も経過してしまったので書かなくても良いかな?と思ったけれど、書かずにはいられなかったので書く。

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2015年11月21日。
“PACIFIC RIM ”/『パシフィック・リム』を観てきた。

本作を映画館で観るのは初めてではなく、実は2回目。
一度目は3Dで鑑賞した。

この作品は巨大人型ロボットと怪獣(KAIJU)の戦いを描いたもの。
日本のロボットアニメや怪獣映画のことが大好きな、ギレルモ・デル・トロという日本オタクの監督がメガホンを取ると言うことで、映画好きな人間のみならず特撮・アニメ好き界隈でも公開前からかなりの期待を持って受け入れられた作品だった。

当時のSNSのタイムラインや、僕がよくお邪魔していた映画ブログなどでは絶賛の声が溢れていた。
「こんな映画を待ってたんだよ!」
「こんなに素晴らしい特撮映画の遺伝子を継ぐ作品が日本から生まれなかったことが哀しい……」
そんな声が多く見聞きされた。
また、僕の好みをよく知る映画オタクの友人からも「お前は絶対ハマるぞ」と言われていた。

そのような状況だったので、僕のこの作品に対する期待は否応なく高まっていた。

ところが……
初見時の僕の感想は「え?こんなもの?」だった。

周囲の声から勝手に高く設定してしまったハードルと、自分の受けた印象とのギャップが非常に大きかったのだ。

重厚感のあるイェーガー(この作品世界における人型兵器の総称)の動きや生物感溢れるKAIJUのテクスチャなど、見るべきものは多く感じた。

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しかしどこか……何か物足りない。
それがこの作品に対する僕の印象の全てだった。

2013年の公開から二年が経ち、(きつい言い方をすれば)世間的には忘れられたといっても良い本作品。
しかし映画クラスタ個々人におけるこの作品に対する気持ちは、冷めるどころか再燃せんばかりにアツいものを保ったままであることに気が付いたのだ。

大量消費のこの時代、一つの作品がファンの心を捉え続けるというのは並大抵のことではない。
MARVEL作品のようにシリーズ作品が継続的にリリースされているならいざ知らず、(現状)単体作品である本作が人々の心を捉えて放さないのはなぜか。

そのことがずっと気になっていたのだけれど、先日「4Dと言う上映形態と『パシフィック・リム』という作品の相乗効果」という旨の投稿を見かけた。

それは「ロボットに搭乗して巨大な怪獣と戦う」という作品のストーリーから、本作は4D上映と最も相性の良い作品の一つであるという意見だった。

実は僕は4Dという上映形態は面白いとは思いつつも、全面的に支持しているわけではない。

それは「人称視点の揺らぎ」(これは僕の作った造語だ)と言う問題を抱えているからだ。

4Dとは何かというと、「平面」、つまり二次元の世界だった従来型の2D上映、『アバター』で市民権を得て加速度的に広まった、映像に三次元的な「奥行き」を持たせた3D上映に続く上映形態で、「座席の振動や水滴、匂い」など視覚と聴覚以外の感覚器官に訴えかける上映形態だ。

僕が今ひとつ4D上映を全面的に支持できないのは、「今自分が感じている振動は主人公の振動を一人称視点で体験しているのか、物語を俯瞰する三人称視点で体験しているのか」と言う点がが分からなくなってしまうからだ。

僕は映画作品の多くが、登場人物たちの行動を見る他者の視点=三人称視点で鑑賞することを念頭に作られていると思っている。
それなのに、4D上映は(意地の悪い言い方をすれば)「視聴者に一人称視点での体験を強要する上映形態」である。
それが僕にとっては決定的なまでの違和感を生んでいるのだ。

僕の4D初体験は“TEENAGE MUTANT NINJA TURTLES ”/『ミュータント・タートルズ』だったのだけれど、その作品に雪山を滑り降りながらタートルズ4匹と装甲車が戦いを繰り広げるというシーンがあった。

そのシーンで臨場感を出すためにシアターの椅子は揺れに揺れた訳だけど、「この揺れはタートルズが体感している揺れなの?装甲車の乗員が感じている揺れなの?それともカメラを構えてる人間の体感している揺れ?」と気になってしまって仕方が無かった。

その後もアベンジャーズAoUやジュラシック・ワールドなども4Dで鑑賞したものの、やはりその違和感はぬぐえなかった。


いつもの如く前段が長くなってしまったが、そんな思いを抱えたまま、パシフィック・リムを観に行ったわけだ。
「鑑賞した上映方式で作品の評価は変わるのだろうか?」という疑問を持ったまま鑑賞したところ、僕の中で明確な答えが出た。
変わる。激変する。

事前の評判からハードルを10段階の7程度に設定して、実際に鑑賞したら5点でしたというのが『パシフィック・リム』一度目の鑑賞の際の感想。
二度目を4DXで観終えた今、この映画には9点寄りの8点をつけたい。

いや、4Dが本当に嘘みたいにハマるんだこれが。
パイロットが感じているであろう振動を、自分も体感しているのだというのが直感的に分かる。

イェーガーを三人称視点でカメラが見上げるようなシーンでも、「その振動は誰が感じているものなのか」という点を考えることなど忘れている自分に気が付いた。

『パシフィック・リム』という作品に対する評価も、「4D」という上映方式に対する評価も、一度の鑑賞でひっくり返ってしまった。
両者の関係性が如何に良好であるかを実感を持って理解できた。そんな体験だった。


しかし、それでもやはり4Dはどこか「惜しい」と感じてしまう。
自分が欲しいところで振動が来なくたり、来なくて良いと感じるところで振動が来たり、その辺りの感覚のズレというものがどうしても出て来てしまうからだ。

正直なところ、4Dにマッチする映画を本気で作ろうと思ったら、全てのシーンを主人公の一人称視点で映す作品を撮る以外にないというのが僕の意見だ。

それこそ、ディズニーランドのスターツアーズやミクロ・アドベンチャーのように。
ミクロ・アドベンチャー、大好きなアトラクションの一つだったのに無くなってしまって寂しい……

……と、また脱線してしまいそうなのでこの辺りで締めるけれども、僕にとっての『パシフィック・リム』は「4D」という上映方式とシンクロすることで初めて完成を見たような気がする。

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イェーガーを動かすには2人のパイロットが「ドリフト」を通じてシンクロする必要があるけれど、まさしくそんな感じ。
4Dというデバイスの力を借りて、僕は初めてこの作品に「ドリフト」できたんだと思う。

リバイバル上映でこの作品を扱ってくれたコロナシネマワールドにありがとうを伝えたい。
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