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“Our Kind of Traitor”/『われらが背きし者』

2016年9月26日。
“Our Kind of Traitor”/『われらが背きし者』を観てきた。



今回はfilmarksの試写会に当選して観賞。
大好きなユアン・マクレガー出演作と言うこともあって期待を込めて観てきた。

ネタバレを含むので、以降を読む方は注意されたし。




原作はスパイ小説の名手ジョン・ル・カレ。
近年ゲイリー・オールドマン主演、コリン・ファース、ベネディクト・カンバーバッチ、トム・ハーディという豪華な共演陣で脇を固めた“Tinker Tailor Soldier Spy”/『裏切りのサーカス』が公開されたことも記憶に新しい。


妻・ゲイルとバカンスに来ていたペリー(ユアン・マクレガー)。
ゲイルに仕事が入ったため、高級レストランで独りになってしまったペリー。
そんな彼に声をかけてきたデュマは、実はロシアンマフィアだった。

デュマはマフィア及びその取引相手の銀行口座の情報を掌握しており、自分と似た立場にあったメンバーが殺害されたことで、自分の身に危険が迫っていることを知る。
イギリス人のペリーに対し、英国諜報機関MI6に渡して欲しいとUSBフラッシュメモリを渡すデュマ。
本作はデュマたち一家の命を救う鍵を握ってしまったペリー(とゲイル)と、デュマ及びその家族の逃避行を描いた作品だ。


仕事終わりに観に行った上に寝不足だったこともあり、途中で寝てしまうことが危惧されたが、終わりまで一度も睡魔に襲われることなく観賞を終えた。
最初から最後まで、一定以上の緊張感が保てていた作品だと言える。

しかし、テンポを良くするためとは言え、マフィアの抗争に巻き込まれるというのに、その決断を下すまでのペリーとゲイルの葛藤を描くシーンがあまりにも少なかったように感じた。
また、相手の正体をマフィアと知ってからもペリーとゲイルの態度が落ち着きすぎているのも気になった。

しかし、それらを抑えて最も気になったのは二点。
一点目はMI6の隠れ家で長女が携帯電話を掛けるシーン。
マフィアから所在地がバレることは彼らにとって死を意味する。
通信の履歴から居所がバレることを考えて、MI6側からディマたちに対し、それまで使っていた通信機器は全て手放すなり壊すなりするよう指示をするはずなのではないだろうかと思った。

二点目は隠れ家に襲撃してくるマフィアの人数が少数過ぎたこと。
博物館から逃れたデュマの妻子、ホテルのパーティ会場から逃れたデュマ。
状況を鑑みれば、逃亡を手引きした何者かの存在は容易に予想がつく。
マフィアに盾突いて逃亡を手助けする様な相手に対し、差し向けた追っ手が僅か4~5名と言うのは、事態の受け止め方が些か軽すぎる気がしてならない。

逆に良かった点は、カメラワークと色遣い。
映画ファンは「スパイ」というとジェームズ・ボンドの様なヒーローを想像しがちだ。
しかし諜報機関に身を置くエージェントやスパイはきっと本作で描かれているような、言ってみれば地味な存在なのではないだろうか。

本作はマフィアとスパイの出てくる作品としては他に類を見ないほど銃撃シーンなどの無い、いわば「静」の作品だ。
ど派手なブロックバスタームービーが好きで、それらの作品を観慣れた僕にとっては物足りない部分や「え?なんでここはこんなアングルから被写体を写しているの?」と思うシーンが多々あったが、それがこの『「静」のスパイムービー』には合っていたとも言える。

ただ、お洒落な画作りを意識しすぎて、カットインがわざとらしすぎたのはいただけない。
カットインする度にガラスに反射する登場人物や、ピントの合っていない状態から徐々にフォーカスしていくような映像ばかりを見せられ、若干食傷気味だった。

曇りがちなヨーロッパの空に合わせてか少し暗めに設定された画面や、ハリウッド作品とは味付けを変えたカットイン・カメラワークなどはお洒落な雰囲気造りにとても効果的だった。

しかし、前述の“Tinker Tailor Soldier Spy”/『裏切りのサーカス』が自分にはハマらなかったのと同様に、本作も僕の好みからは少し外れていると言わざるを得ない。


10点満点中4点。
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